ヴァンパイア十字界最終回感想


 ヴァンパイア十字界、今月号で完結となりました。
 最終回を記念して、作品通じての感想をあげようとおもいます。
 きっと、これは、例のアレ、プロット削除の秘儀が実行されたに違いないなんて思ってしまうのですが皆様の感想はいかがなものでしょうか?
 でも、ヴァンパイア十字界、面白かったですよね!
 未読の皆さん読んでみてください。面白いですよー!!

では感想の前にお約束。

完全にネタバレですので、ご注意を。後で文句言われても何も出来ません。
出来れば本誌を読んでから読んでください。


はい、いーですね?
了解ですね?
オッケーの人のみ、下をどうぞ?


















作品通じてのヴァンパイア十字界感想

あらすじ
 昔々、この世界にはヴァンパイアの王国がありました。
 夜の国と呼ばれ、人間とヴァンパイア、人間とヴァンパイアの混血のダムピールが共存する平和な王国です。
 そこではヴァンパイアとダムピールが、ごくふつうに暮らしており、その周辺に住む人間の国でも、当たり前のようにダムピールやヴァンパイアの存在が語られていました。むかしむかし、ダムピールやヴァンパイアは、決して空想の生き物ではなかったのです。
 そんな時代の終焉は、ある日突然やってきました。
 ヴァンパイアの王様が囚われ、殺されそうになり、それを見たお妃様が狂乱して魔力を暴走させてしまったのです。
 その魔力はすさまじく、人間とヴァンパイアとダムピールは一致協力してなんとか女王を封印しましたが、そのときすでに夜の国は荒れ果て、そして混乱とともに、夜の国はなくなってしまいました。
 それでは収まらないのが、王様です。
 封印されたお妃を探すため、王様は旅をはじめました。
 王様を止めようとする人間たちと戦いながらの旅は千年以上におよび、人間はいつしかヴァンパイアもダムピールも空想の世界にしてしまいました……。
 そして、王様の旅は今もなお続いています。
 千年以上もかわることなく。
 突然、宇宙人が襲ってきたその日まで。


感想
 うちゅうじんはー?
 というのが完結後最初の感想。
 結局うちゅうじん、は何の出番もなく終わっちゃったわけで。
 顔も見たことなく、姿すらちらりとも出ずにそのまんま終わっちゃったわけで。
 ちょっとこれ、ないんじゃないかなあ……?

 プロット削除したんじゃないでしょうか、城平先生。うん、ありえるな。スパイラルアライブとの両立、しんどそうだったしねー。
 結局、物語としては、
 1 三つ巴(ストラウス、ダムピール、宇宙人)
 2 三つ巴の二方の事情が詳しく語られ
 3 残る一方はノーカンでさくっと消去
 という流れなわけで……
 「うちゅうじん」とのやりとりとかを楽しみにしていた私としては悲しいものがあったりします。
 しかし、うちゅうじんさんも哀れというかかわいそうだっていうか。
 あれだけ技術力に差があって、それでもなおかつ手加減も油断もせずに分断工作やら、兵器対策やらこまめにやったにもかかわらず、「反則」モノの「ヴァンパイア」にやっつけられてしまったわけです。予想外の方向から致命的な一打がきて、おしまいになるっていうのは人生よくあることですが、宇宙人の立場からすれば、「こんな反則あってたまるかー!」でしょうね。哀れ。
 作品の不満といえばその点だけで、あとは毎回のように見せ場があり、毎回楽しませてくれる良質の漫画だったと思います。

 ま、宇宙人を書くわけにはいかない製作者側の事情ってのもわかるんですよ。
 宇宙人は「難民」。
 それの事情を書いちゃったら、読者はまず、宇宙人側にも感情移入をしてしまうでしょう。
 そしてその感情移入をさせてしまったら、よほど上手に昇華させないかぎり、ストラウスとアーデルハイトでさくっとやっつけるシーンにどうしても読み手は消化不良感を持ってしまうんですよね。
 このもやもや感は、居心地悪いですよー。始末に悪いですよー。放置しておいたら読者の作品への評価が下がっちゃうんですよー。
 宇宙人側にいったん感情移入をさせてしまったら最後、そういうことが起こるわけです。
 解消するために作者側が取れる対策なんてたかがしれてます。地球上に共存同居なんてできないんですから。
 最善は宇宙人側を書き、かつ感情移入をうまく処理することですが、至難の業です。ものすげー難しいですよ。これ書いてる私もとてもじゃないけど思いつかないですもん。
 ということで次善の策は、感情移入なんてさせず、さくっと殺すことなわけです。
 そういうこと考えたら、、これしかないでしょうね。

 よく織り込まれたプロットの構成美。そういうのに私はひきつけられるタイプなのですが、ストラウスの真実とか、花雪の事情(ストラウスに協力していたのは実は宇宙人の襲来のせい)とかはとても興味深く、かつ面白かったです。
 やっぱりこういうのは予想外だから面白いんですよね。ストラウスの真実、予想がついてなくてよかったと思います。予想がついていなかったからこそ、森島のつぶやきでモヤモヤ感が沸き起こり、次号でそれが綺麗に解消されたときの爽快感ときたら凄かったです。
 花雪の場合も同様で、宇宙人の襲来なんて誰が予想できるかー!っていう事情でしたが、知ってみれば納得いく点がちらほらとみられ、満足満足〜な謎解きでした。

 キャラクターもそれぞれ立っていて魅力的でした。
 花雪、ブリジット、そしてステラ。
 このあたりはとっても立ってますね。一番好きなのはブリジットでしょうか。次がステラ。
 ステラとストラウスのやり取りをもうちょっと見たかったです。
 出てこないだろうなーと思っていた馴れ初め……ストラウスがステラに惚れるきっかけは最終回で書いてくれたのでだいぶ欲求解消されましたが。
 かわいいですよね、ステラといるストラウス。

というわけで、


城平先生、お疲れ様でした!




 8冊(後もう一冊でるけど)と手ごろな冊数で、かつ完結済みなので某ハンターのように不安にならなくて済み、内容も濃い作品ですので皆様もいかがですが?



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