スパイラル〜推理の絆〜感想部屋
完全にネタバレですので、ご注意を。後で文句言われても何も出来ません。
2005年7月号感想 あらすじ 展望台に到着した、キリエ、ラザフォード、ひよの。 呑気な顔で出迎える歩を前に、火澄の墜落の知らせが走る。歩は冷静な顔で入院の手配を頼んだのち、一緒に昼食をとる。歩はそこで、ブレードチルドレンを救うための自身の論理を披露する。 一方、まどかの入院する病院には、清隆からの訪問があった。まどかに会うことなく、封筒を渡して去っていく清隆。 ラザフォードとキリエは歩の話した「ブレードチルドレンを救うための論理」の危うさを指摘。キリエは、平気そうな顔をしているが、火澄を手離した歩が立っていられるのはその論理のせいといい、その論理は歩によって支えられるという。 しかしラザフォードの意見は違った。「歩は、信じられるものを手に入れられたから、火澄を手離せたのではないか?」 そして場面は変わって歩とひよの。街を歩きながら、平和な会話をかわす。 「あんた抜けてもいいんだぞ。こんなキツイ話に付き合うことは無い」「何言ってるんですか、それじゃハッピーエンドにも付き合えないじゃないですか」「……やっぱりあんた、馬鹿だろ?」 感想 クールダウンの回……? ……がっくり。 期待して期待して期待させてこれってのはあんまりだー。 しかし火澄、ほんとに死ねないねえ……地上90メートルから墜落したら、どんだけ木が繁殖しててクッションになっても普通死にます。普通の木の樹高ってせいぜい3メートルでしょ? 87メートルを落下して木にあたった衝撃だけで内臓を傷つけるには充分なんですが、風やらなにやらで絶対死ねない、と。入院先の病院で頚動脈をスパッと切ったらどうでしょう。血の噴水で、あっという間に失血死できると思うんですが。 頚動脈切られたら、その場に医者がいても絶対死にますが、どんな偶然が起こって死ねないのやら。 ……ちょうどよく台車で輸血用の血液を搬送していた人間が発見して火澄に血液を輸血する一方、偶然病室の側にいた縫合のエキスパートが病室にかけこんで……? とか? ……普通に考えればそれでもやっぱり死にますが、五階から落ちても無傷なスパイラルのことです、死なないかも。 鳴海清隆を完膚なきまでに叩きのめす。 自分ができるのは、自分で自分は救えるかもしれない、と皆に思わせることだけ。 体のどこがどうなっていても、簡単には死んでやらない。 ……ううう、最後の言葉にほっとしたり。歩、どうか生き延びて! ハッピーエンドに進むためには、あなたの生存が必要なのよ! で、歩が三人に語った「ブレチルを救う論理」ってなんでしょうねえ……? 1 自分で自分は救えるかもしれない、と皆に思わせること。 2 盤面にある材料でできてる。 3 その論理は歩の心が最後までもつかどうかにかかっている。 ……さっぱり。 お手上げです、まったく想像つきません。 2の条件からして、まったく未知の人物や条件でというわけじゃないと思うんですが……。手持ちの材料でできるはずなんですが……。 ……(思考中)。 まず前提条件から。 1 ハンターはブレチルを殺そうとしている。 2 ハンターの説得は難しい。引き返せる一線を越えているから。 3 血の呪い、が真実かどうかはいまだ不明。無いものと頭から決めてかかる事は危険。(むしろあるものとしてやるべきだと思うんですけどねー) 4 ブレチルが救われるには、ハンターという外部要因よりもむしろ、『自分は生まれてくるべきじゃなかった』という思い込みをどうにかすることが重要。 ブレチルの敵ってハンターよりもむしろ自分自身って気がします。自分の生きる事の正しさを主張できないこと、です。 ハンターをおさえるのは、清隆なら簡単。 絶滅させるのも簡単でしょう。 でもそれでブレチルが救われるかっていうと、そうじゃない。 血の呪い、それこそがブレチルの鎖なんですから。 というわけで、ブレチルをどうにか「自分で自分を救えるかも」と思わせるには、血の呪いを解いてみせて「お前達は生きてていいんだ! だから、これからは自分で自分を救うんだ!」とやるしかないと……思うんですが……キリエさんが意味深に言ってますねー。 「最後まであの子の心がもつかどうかにかかってる」と。 「最後まで」。 つまり一気にカタがつくのではなく、カノン攻略戦のような、段階を経て順繰りに進んでいくものだと。 よし、駄目もとで予想しましょう! 1 鳴海清隆をなんとかしてふんづかまえる。 2 ブレチルの血の呪いについて吐かせる。 3 清隆にブレチルをねらうハンター達を押さえさせるor説得させる。 4 ブレチルは血の呪いも嘘っぱちと知ってめでたしめでたし、自分で自分の未来を信じられるようになる。 ……駄目だー。 どうにもこうにも粗がある。 その理由として一番大きなものは、「歩が血の呪いの正体をまったく知らない」こと。 知らないくせして頭っから「でっちあげ、うそっぱち」と決め付けて論理を組み立てるのは大馬鹿です。それで本当だったらどうするのさ。デスノートで頭っからメロの仕業と決めてその論説にあう証拠を意識的に集めてるニアみたい。あの質問の仕方といったら……誘導尋問ですよ。 読者が知らないだけで「血の呪い」について予想は付いてるってオチもアリですが、予想がついてるとはとても思えない。現状の歩の材料からしてどうやっても推理の届く範疇に無いもんな。 つまり現状の歩の手持ちのなかに「血の呪いの真実」という超重要アイテムがないので、ブレチルを救う論理を組み立てることができるとはとても思えないのです。 つまりあれだ、 歩は血の呪いについて何にも知らないのにブレチルを救えるつもりでいるのか? 頭っから嘘っぱちと決め付けてるんじゃないだろうな? まさか。 その思考回路は論理的に言って、おかしいです。 普通のひとは、90メートルの展望台からおっこちれば死にます。絶対。 でも歩は火澄が落っこちても即座に「命にだけは別状無いはず」とのたまってます。つまりその時点で、歩は、「超常現象が存在する事を確信」してるわけです。 超常現象があることを確信してるのなら、血の呪いに関してだけはうそっぱちと思えるはずがありません。超常現象すべてを嘘と思うのはまあいい、常識的な反応です。超常現象すべてを「ありえるかも」と思うのもまあいい。でも超常現象を信じつつ、自分に都合のわるい事だけを信じないなんて……アホか? その神経回路は理解不明。 いくらなんでも歩くんはそこまでへんてこりんな頭脳の持ち主でないと思いたいので、手詰まりな訳ですねー。 ここまで書いて思った。固いな、今回の感想……。 読んでてつまらん。 というわけで煩悩大爆発しましょう。 歩! てめーはもうちょっとひよのといちゃいちゃしとけ! お前にとってのひよのってキリエやアイズの言ってたアレだよな!? 「これまで何一つ信じてこなかった歩くんが、自分の心をどんなときでも支えられる何かをここに来て持てるわけ無いじゃない」 「だが、時にはほんのささやかなものが心を支えることもある。あいつは信じるべきそれを手に入れたから、火澄を振り切れたのではないか?」 で、それを補強するように駄目押しで歩とひよのの会話。 ……ここで歩がひよのへちらっと目配せして、一言でいいからひよのへの愛に満ちた心を吐露するモノローグでも吐いてくれればなあ……そうすればトチ狂えたのに、二人の会話があっさりしすぎてて、盛り上がりません、盛り上がれません、問題です!!! あるいは「馬鹿だろ」のセリフを「優しくひよのを見つめる眼差しで」とかね!! うーん……アイズとキリエのセリフの「歩の何があっても信じられるもの」って……ひよの、ですよね!? ひよのの事だと信じたい。どう考えてもひよのっすよね? 相変わらず、ひよのにそっけない歩くんの態度に涙涙でした。 ひよのがどこまでも付き合うつもりでいてくれることが、嬉しいクセしてさ。困った子です。 ヴァンパイア十字界感想 ……今回は既出の話の流れを追うだけだったので、いまいち。 なんであんな若年で、ストラウスが王様になることになったのかとか、その流れは不明のまま、ついでにブリジットが実は真実の何も知らないことを暴露したお話でした。 しかし元老院の決定は不可解。 ……夜の国は大陸で最強なんだよね? その夜の国の最大戦力で、一国をも滅ぼす力を持つのがストラウスなんだよね? それを恐れて周辺国が大同盟したからって、ストラウスの首を差し出すって……。 …………戦って、勝てるとは言わないまでもたやすくは負けない相手に、自分のキバとツメを折って差し出してどうするの? 現状では「勝てないまでも負けない」が、「戦えば必ず負ける」になるだけでしょ。しかもそれって自分達の王様なんだよ? 人望だっていっぱいあったでしょ? これまでてっきり私はブリジットの言葉からして、「ストラウスが何かやらかして、元老院のじーさまたちがストラウスを恐れるようになって人望失ったから」だと思ってた。 でも、周辺国の大同盟ってだけだったんだね……。 次号の「次号こーなったらいいな」妄想爆発につきあう? 2005年8月号感想 あらすじ 清隆からの手紙により、歩たちの真実をまどかも知る。その封筒には、清隆からの歩を呼び出す手紙も入っていた。その翌日、ピアスを買いにひよのと街に出かける歩。買ったピアスの片方をひよのに渡し、「兄貴に勝って帰ってきたら返してくれ」という。歩と別れ、後ろ姿を見送って「これでもう、本当に終わりなんですね」とつぶやくひよの。 その次の日。歩は清隆との決戦に出かける……。 感想 以前、ちらっと6月号の感想でも書いたんですが、返信用メールアドレスなしのメールで返事は出せません。以前私の感想に感想のメールくれたのと同じ人なんですけど、返事の出しようがない。前回は返事いらないと思ってそのまま受け取るだけにしましたが、今回は、「返事をお待ちしております」って……。どう返事しろと? はい、心当たりのそこの人。今度はしっかり返信用メルアド入れてください。うっかりミスでしょうけど。 とうとう、清隆兄との決戦です。 …………うーん、上のあらすじだけ読むと、かなりあゆひよちっくなんですよね。 しかし実際読むと、どうにも萌えないのは何故でしょうか? 萌えようとおもって努力しつつ読んでいるのですが、「ここで投げたら、どんなときも俺を信じてくれた奴とのすべてまで失うから―――……」のあとで、どうして「今のは、なしだ」とか言うかな! 素直に「あんたは俺をどんな時でも信じてくれたから、兄貴を殺さない」でひよのを口説け! 公園のベンチで押し倒せ! いけいけゴーゴー、読者はまってるぞ! ……怖いです。この先の展開を考えると。 だって……「ひよの」がキーポイントになりそうで……。 ひよの、今回歩と別れた後に、「これでもう、本当に終わりなんですね」と呟いています。これが普通に「お兄さんとの決戦が終われば全部終わりなんですね」という意味ならいい。でも……そうでなかったら? なんだか自分が死ぬってことを覚悟している人間の呟きみたいに聞こえて怖いんですよ! 実際、小道具はそろってます。 歩が渡したピアスの片方。 決戦の日の描写に、ひよのが出てこなかったこと。 清隆お兄さん(今回初顔出し!)からしてみれば、ひよのの事は……もちろん知っているはず、ですよねえ? 歩をこれまで力づけてきてくれた、勝利の女神の事は。 そして、歩が火澄を殺すことを拒否し、火澄と一緒にいるのも拒否した事も知っているはず。 「歩が自分の意思で、自分の生き方を選択している」ことを、清隆は知っているんです。 で、それでもなお、運命どおり歩に自分を殺させるためには最後の一押しが必要ですよね……? こ……こわ! この展開だけはなってほしくない。 清隆がピアスを取り出して、「これは一体誰のものだと思う?」「ま……さか!」「ああ。可憐で、たくましい少女だったな。どんなときもお前を信じ続けた、お前の砦。お前を支える、唯一のもの。彼女は、命乞いはしなかったよ」 とか。 「ひよの……あんた……どうしてここに?」「私が呼んだからだよ。疑ったことのないわけじゃないだろう。彼女が、私の指示でお前に近づいたんだって事を」 とかいう展開になったら怖い! いやだ! ひよのが何者なんだ、っていう謎を解き明かして欲しいのはもちろんですが、……死亡だの実は歩を裏切っていただのは嫌なんです……。 どうかハッピーエンドで、ひよのの正体がわかるラストでありますように。 歩との対面での清隆のセリフ。 「いい顔になったな、歩」 ……うん、ほんとにね。一巻の頃と比べると、まるで別人のような顔です。 そう思うと、感慨無量だなあ……、歩は本当に成長しました。 スパイラル、終わりが近いですね。 とはいえ、スローペースだった火澄編を思えば、今年中に終わるかどうか……怪しいところですが。 やっぱりラスボスは清隆なら、火澄編より長くなるのが普通の考え方。中ボスよりラスボスのほうが手ごわいのが普通でしょ? 清隆との直接対決が成ったこれからも、話し合いをずーっと続けてそうな……あわわわわ。不吉な予想をしてしまった。 独断と偏見で終わり方を予想してみます。 悲惨な設定の終わり方というのは、いくつかパターンがあります。 1 設定無視、力技ハッピーエンド 「皆が助かるためにはヒロインが犠牲にならなきゃいけない!」とか「助かるのはどっちか一方だけ!」とかいう展開でしばしば用いられるものです。例、テイルズ オブ ディスティニー2。 設定無視して強引に力技で説明なしで(ポイント)ハッピーエンドにもっていくのがこのラストの特徴。 2 設定有効、ハッピーエンド 設定を無視することなく、設定を生かしてハッピーエンドにつなげるやり方。書き手の力量が問われる最も難度の高いエンディングといえるでしょう。 例、ダレン・シャン。もしくはハンターハンターでの二又の道(これはラストじゃないけど)。 3 設定有効、後付け設定でハッピーエンド 悲惨な設定は有効なんだけど、後付け設定でハッピーエンドにもちこむもの。るろうに剣心は一応、薫の伏線をつぶさにちりばめてあったから除外する。1との違いは説明があるかないか。 4 設定有効、アンハッピーエンド(話そらし) 悲惨な設定を有効にしたまま、なんだかうやむやのうちに終わってしまうというラストです。たとえばスパイラルが今後歩が床につくまえに「俺は戦い続ける―――自分の寿命という名の運命と!」みたいな感じでラストになった場合、このエンドが該当します。また、犠牲になる人のことをキレーにわすれ果てて触れずにスルーしたりする場合も含まれます。 例、ブレイブストーリー(宮部みゆき)、ダイの大冒険 5 設定有効、アンハッピーエンド(救いあり) 悲惨な設定を有効にしたまま悲惨に終わるものの、ラストに微妙に救いがあるというもの。歩が今後病床につきながら、「悔いはないさ。精一杯、やれることをやったんだ……」にっこり笑顔、でラストになった場合、該当します。 例 サンクチュアリ 6 設定有効、アンハッピーエンド(救いなし) 悲惨な設定を有効にしたまま、まったく救いの欠片もなく終わる話。読後感は最悪に近い。 しかし、書き手の度胸が最も問われるものでもある。普通の作者はたとえアンハッピーエンドでも5番に行く。これを堂々と、きっちりやってのけた福本伸行先生を尊敬する……。 こうして分類すると、結崎ひよの殺人事件は、5か6だな……。救いがあるようにも見えるし、救いのない様にも見えるから。 杉浦の希望としては、スパイラルの終わり方の第一希望はもちろん2ですが、1でも3でも文句は言いません。 歩くんの寿命を何とかしてくれて、歩くんが死なずにハッピーエンドになるなら力技のハッピーエンドだろうが、後付け設定だろうが、何にも文句ありませんとも! 正直な話、ハッピーエンドならいいんですよ、私は。あくまでスパイラルに関してだけですけど! 他の作品では安易なハッピーエンドよりアンハッピーの方がまだいいと思っているクチですが、スパイラルだけは、ハッピーエンドならどんな終わり方でも文句はないです。 幸せに夫婦漫才している歩とひよのを見たいんですよ。 ……というわけで、お願いします、城平先生。 ヴァンパイア十字界感想 ああ話がすすまないなあ、今回の内容は「とっても大変な思いをしてアーデルハイトを封印しました、ストラウスは自ら国と民を捨てました」。というこれだけですかい。 しかしやっと舞台が現代に戻ってきた今回。次こそ話がどんどこ進むのを期待します。 2005年9月号感想 あああああああああああ あああああああああああ あああああああああああ あああああああああああ あああああああああああ あああ。 完全なネタバレです。 今月の感想だけは、ガンガン読んでから読んでください。 あらすじ 対峙する歩と清隆。 言葉を交わす歩はブレードチルドレンを救う論理を披露する。 そして清隆は歩を殺意に駆り立て走らせる言葉を言う……。 感想 ……あーゆーむーくんはー。 心の大事な砦を壊されて、ぼろぼろになってしまいましたとさー。 ふふふふふふふふふふふふふふふふふふ……。 いや、予想はついてたけどさ。 たぶん読者のかなりの数が、おそるおそる予想ついてたとおもうさ。 ひよのが清隆の手のもので、今この瞬間に歩を絶望に陥れるために派遣された人間だった。 ってことは!!!! ……やだなあ。ひよひよのあのしぶとい性格もにぎやかな口も演技だったの……? これからずっと、ひよひよがでてくることはないの……? ひよひよの性格が好きだったのに! 食いしん坊で、歩の事を心配してて、誰より歩を信じつづけた女の子が大好きだったのに! すくなくとも、ひよひよが清隆の手のもので、「結崎ひよの」が演じられた架空の人間って事はまちがいなさそうです。 そういえば、公式設定本でも、なんのデータでも、ひよののプロフィールだけはぜんぜん書いてないんですよ……。(知らないだけかもしれません、知ってる方プリーズ) しかし、追い詰められていく歩と清隆のやりとりにぞくぞくしました。 歩くんの行動が、とっても「ひよのびいき」で、「ひよのにとち狂っている人間」のもので、あのひよのに冷たかった歩君がなあ、と、にまにましてしまいます。 清隆がひよののことを匂わせた瞬間の歩のぶち切れた眼差し。 「―――あいつになにをした」 ……最高。 きゃー!!!! とおどってしまいましたのよさ! やっと! やっと! 歩くん、ひよののこと大好きで好きで好きでたまんないほど好きだってこと自覚したんだね! 清隆も言っちゃってくれてます! 「お前の心の拠り所だろう。今のお前が最も特別に思う存在だ」 きゃーーーーー! ついに敵も公認、歩の「特別で大切な相手!」 ……しかしそれは全部清隆が仕組んだ事でした、とさ。 歩君の挽回を期待したいところです。なんとしても! だって、凡百の読者ですら予想していたことなんですよ? ひよのが手のものかも、ってことは。 天才の歩くんだったらもう、百も千も予想してしかるべきじゃないですか。 それとも大切すぎて、疑う事も出来なかったのかな……? それはそれで萌える展開ではありますが……、 いや! ここはなんとしても、歩はひよのの裏切りを予見していて、その防護策を打っていた、と思いたいところです。 また。 ひよのもかなり歩に心を移しているとおもうので、「最初は命令で近づいたけど、途中からは本気であなたを好きになっていました」というパターンでも可! ひよのが心をうつしている根拠はカノンが歩とひよのの前に初めて姿を現したときです。 ひよのは心の中で思ってます。「歩が撃たれたら冷静に逃げ出すなんてできるかわからない」と。 さらに、ところどころで「神様気取りで踊らせている人間が気に食わない」といっています。 このセリフが嘘だとは思いたくない! というわけで、ひよのは「手の者だけど、ひよのは歩の本当の味方となった!」展開を希望。 しかし……清隆ほんとにラスボスかなあ……。 現在の情勢を見るだにそれが最も優勢ですが……。 一つ大きな問題が。 そう。 スパイラルの歴史を回想し、脳裏に思いうかべ、1巻から13巻まで。ああ長かったなあと思い起こし、そして清隆の最終目的(?)を重ね合わせる時、非常に虚しい想いに駆られるのです。 いや、べつに用意周到な計画の裏の目的が壮大なものでなくてはならない、というルールがあるわけではないのですが。 ……あれだけ、時間と手間をかけて歩を成長させ。 あれだけ、いろんな事件を用意し、いろんな人間を配置し、仕組み……。 その目的が、 自殺の手伝い。 ……無性に虚しくなるのは私だけですか? 次号の「+こーなったらいいな、ステキだな ぱーと3+」妄想爆発につきあう? ヴァンパイア十字界感想 ああ話がすすまないな。ホンットに進まないな。 やっと現代に戻ってきたと思ったら、またも過去話。しかも目新しい発見はなにもなし。 セイバーヘーゲン……本人も言ってたけど、あんたが諸悪の元凶のような気がするが……。赤バラを処刑しようとしなければ、アーデルハイトの暴走もなかったし。 しかし、ほんとにステラを殺したのはアーデルハイトなのかねえ? 違う気がする。根拠がいかにも弱いよ。首飾りってだけだもんな。「殺された当日、アーデルハイトが訪ねていって首飾りをもらった」とか、あるいは「後日盗賊市などで売られていた首飾りがアーデルハイト目に触れ、購入した」とか……どっちも少々無理はあるけど、偶然の力っていうのはそれ以上におおきい。杉浦は信じられないような偶然と遭遇した経験があるから(友人と、偶然ばったりお互いの居住地から遠く離れたところで再会)、そういう偶然がなかったという証拠は何もない。 しかし、状況から言ってもっともストレートな回答が「アーデルハイトが犯人」というのもたしか。 ストラウスは、アーデルハイトに真相を聞いたのでしょうか? せめてそのぐらいの理性は残っていたと思いたい。問答無用で殺しにかかったのではなく。 2005年10月号感想 あらすじ 歩は清隆のシナリオを読んでいた。「他に切り札はあるか?」 清隆を殴り、罪を償えそれでチャラだといって去る歩。 駅に向かう歩のもとにひよのが現れる。歩はこれからも絶望の中で希望を言い続けなければならないが、結崎ひよのがいたらそれはできない、またひよの自身明日からまた長期の任務が入っている。 もしまた会うときがあればピアスを返してくれ、と再び歩はひよのにピアスを渡す。 さようなら、と握手をして別れるふたり。 駅のホームで、歩は呟く。ここでなら泣いていいかな、後にするか、と―――。 感想 うーん、サワヤカ系ですね。 無理に不自然なほど無理矢理にサワヤカ系にまとめた気配がなきにしもあらずなのですが、全体としてサワヤカ系の涼風が漂っております。 どうやらひよののあの性格は地だったようです。 それにつられて、「あなた」と言い方をかえた歩は「あんた」といつもどおりの呼び方しちゃってますよ! 奥さん! ホントの年齢は17歳じゃないし(童顔ですねー)、結崎ひよのが本名でもないし、歩の元に戻ってきてくれるわけでもない……と。 最後のがもちろんいちばん打撃です。 ひよひよが、歩と、別れてしまうだなんてっ! 側にいてくれよー、結局歩にとってひよのってなにさー、清隆の言葉への動揺は演技みたいだしさー、具体的に「好き」のセリフの一つもないしさー。 「歩を支えているもの」ってなにさー。企業秘密ってそれはひよののセリフだろ! ひよのの事が大好きなんだろ、そうなんだろ! だからその気持ちを支えに頑張れたんだろう! 歩とひよののいちゃいちゃが読みたいんだよ!(←私情) 清隆の目的はうれしいことに二段構えでした。 絶望の中でも希望を信じれる人間をつくりたかった、歩がそうなる事を望んでいた。 ああ、よかった。自殺の手伝いの為に全てを企画したなんていうことじゃなくてほっとしてます。 なんか、前号とてつもないポテンシャルを持つ重量級爆弾だっただけに、今回良くも悪くも「軽い」感がつきまといます。 前号、ひよのの裏切りは、螺旋サイトに最大級の衝撃をもたらしました……。 で、これがどうしてこんなにびっくりなのかっていうと、「予想外」だから、ではないんですよね。 いろんな人がいろんなところで予想していたはずです、彼女が裏切るってことは。 それでもみんな衝撃だったのは何故かっていうと、「過ごしてきた時間の重み」です。 身近な人の裏切り。よくあります。よーくあるパターンです。漫画でも小説でもしょっちゅう起こっている出来事です。ただし、前回のひよの裏切りとは明らかにスケールとショック度が違いました。 普通の場合、「裏切りの少し前に登場して主人公の信頼を得たキャラが裏切る」でしょう。 または、「ずっと前から出ていたけど脇キャラが裏切る」とか。 ひよのの場合、出番の多さと出演の重要度が根本的に違います。土壇場で、常に体を張って主人公を信頼してきた少女―――主人公よりよっぽど主人公らしい程のキャラです。 その積み重ねがあるからこそ、読者は、「何も信じようとしなかった歩がひよのを信じ、最後の砦とした」ことをあっさり受け入れ、ひよのの裏切りに顔面蒼白になった歩と一緒に衝撃を受けたのです。 主役と読者の気持ちがシンクロするとき、そこには「共感」が生まれます。 この共感をいかに生み出せるかが、創作者の力量だと私は考えています。 その点で、城平先生は文句のつけようのない仕事をしました。 「ひよのが裏切った、ガーン!」は歩一人のものではなく多くの読者が共有するものだったのですから。 物語はすべてそうですが、「経過」が重要だと思います。 あらすじだけ言葉にすれば実に陳腐でありきたり。「ずっと側で助けてくれた少女が実は裏切っていた」なのですが、そこまでの積み重ねが膨大なので、「説得力」がそこに生まれます。 「積み重ね」があるから読者はひよのに好意を抱き、 「積み重ね」の末に培った好意と信頼ゆえに、裏切りに衝撃を受けました。 「ずっと側で助けてくれた少女が実は裏切っていた」 あらすじだけ抜き出して読んでみても、まったくどこにも衝撃はありません。「積み重ね」「経過」が育んだ感情移入あればこそ、衝撃は衝撃になるのです。 ……ってわけでですね。 前回あんな話の後に、螺旋クロニクルでひよのの活躍をダイジェストで見せるなー! ということを言いたかったのです。 そしてここからは思いっきり私情になりますが、「結局超常現象アリ」でいくのね……。 ブレードチルドレンの血の呪い。あの正体を考えるのに、わたし、すんげー苦しんだんですよ。 そして同時に、どきどきわくわく期待しておりました。原作での謎解きが楽しみ、ああ一体どんな仕組みなんだろう、って。 この時点で私はまったく目論見が甘かったといえるでしょう。「一見超常現象に見える不可能的事象にも科学的解決がつく」という推理小説の常道が、そのまま持ち込まれるものと疑ってなかったのですから。 ……まさかスルーして「超常現象、はいおしまい」、で終わるとは……。 あー……何度も言いますが、思いっきり私情です。ハイ。聞き苦しい事は多々あるとおもいます、私情ですから! いいですね? ―――じゃああれだけ頭ひねって読みたくもない資料の山を読んで「血の呪いの正体」なんて作り上げる必要なかったんかい!(しかも二種類も) あーすっきり(汗をふきつつ)。 頭を冷やして考えれば、杉浦が文句を言う筋合いなんてないのです。城平先生にしてみればまさしくはた迷惑。こっちがスパイラルが好きで、勝手にやった事です。 ……しかしやっぱり科学的に説明のつく事象であってほしかったのですが。 さて、次号はとうとう最終回。 はーっ。 今回一気に肩の力が抜けた観のあるスパイラル。 何年も時間が経って、歩が二十歳を越えたころ、一人の女性が訪問し、「お久しぶりです、鳴海さん」になるかな。少なくともひよのは出てきて欲しい! このままひよのが本編からフェードアウトして「おしまい」は絶対嫌なんですよ。 ―――いや、まてよ。 歩がひよのを迎えに行くほうがいいなあ。 「あんたがいてくれたから、兄貴に勝てた。ありがとう。鳴海歩の側にいて、その生涯を助けるっていう任務を、うけてくれないか?」 とか! 最終回が一番どきどきしないで待てそうです。 ヴァンパイア十字界感想 ようやく話が動き出したものの……。 過去話が終わったのはいいけど―――ああ、やっぱりストラウスが恐れられるようになった理由っていうのがちゃんとあったんだね。ごめん、城平先生。 ストラウスはいったいどうしてブリジットを仲間に引き込まなかったのかなあ。 ブリちゃんはどう見ても有能で、どうみても君のことが大好きだぞ? 今でも好きなぐらいで、本人もきっぱり「誘われたら迷わずストラウスについてった」と断言してるぐらいだから。頭に血が上っていて、ブリちゃんを攻撃しちゃったってのはそれはいいとしても、のぼった血が冷めたらブリちゃん勧誘に動くのが一番でしょ。 人間世界で広がる混乱。そして、その調整にうごく御前、情報収集するストラウス。 最後のストラウスの「王様」然とした顔がひさびさにかっこよかったですー! この人最強最高の魔人といわれつつ、近頃かっこいい顔全然なかったから。ステラににやけてるか、ブリちゃんを血走った目で貫いたか。 ところで御前がいろいろ対策に苦しんでるけど、その間にさっさとシャトルを飛ばしてしまえばいい、っていうのは……だめなのかな? シャトルはできあがっていて、花雪も訓練済ませていて、あとはストラウスの訓練ぐらいなもの―――じゃないの? しかもストラウスって、シャトルナシでも月まで行ける人なんでしょ?(一巻参照) 魔力か、バンパイアだからかは知らないけど、宇宙空間でも自力で生存する方法を持ってる人に、訓練、いるのかねえ。 宇宙服が出てきたけど、それすらいらなさそう。 宇宙人相手に、どんな準備がいるっていうんでしょう。内部配置図なんて探れるとも思えないし、計画自体はずっと前からあったんだから、飛行中の食料その他の手配もできてるはずだし、いったい何に時間かかってるのでしょう? 「さっさとシャトルで出撃、おしまい」はできないんでしょうか? 追記 ごめんなさい。考えてみれば、最も肝心な人物―――アーデルハイトがいなきゃシャトル飛ばしても仕方ないですね……。 |