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戦争が終わり、世界の終わりがはじまった 9
今のは一体なんだったのか?
正面きって問いかけられると、信二は自分が言葉に迷うのがはっきりとわかった。
よくも悪くも破天荒で、常識外を柔軟に受け止められる麻衣とちがって信二はあくまで常識を愛し、常識に縛られる―――翻っていえば、常識しか受け止められない人間だった。
信二だってゲーム世代だ。
「魔法」という言葉も、「超能力」も知っている。
ただ……それが自分の身近にふりかかってくることなんて、―――本気で考えたことはなかっただけで。
空想のなかの、自分でもありえないと分かっている想像としてならもちろんあるが。
しかし今見たものは、一体―――他にどう考えればいいのだろう?
常識と自分の知覚との間の板ばさみになっている信二を麻衣は面白そうに見やって、背を向ける。ひょいとしたごく軽い仕草で、麻衣は倒れている少年を拾い上げた。
「……どう、……?」
「世界には君の知らない世界がたくさんあるってことだよ」
麻衣は腕に少年を担いでいるとは思えない重さを感じさせない動きで、信二を振り返る。
「だから、こういうことは「知ってる」他人にまかせておきなさい。信二君。君は、常識が好きで常識のなかで動ける人間だ。僕は殺伐としているからね。相手が超能力者だろうが、実害はマシンガン構えた敵よりよっぽど下だと分かってる。分かってるから、それだけのこととして扱える。この世でいちばん怖いのは、超能力なんていうものより、銃器をかまえた敵意あふれる人間だよ」
信二はそのせりふを黙って聞いていた。
聞いているうちに、決意が固まった。
「渡辺さん。以前、聞いたことをもう一度お尋ねします。―――あなたは、何者ですか?」
2005 3/9up
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