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戦争が終わり、世界の終わりがはじまった 1
最近、気になっていることがある。
渡辺麻衣がよく行く図書館の学習室の窓からは、小さな池が見える。
円周が大人の足で百歩ほどの池は、あちこちの木々から落ちた枯葉が水面に幾重にも重なって、明度の低い色彩が乱舞している。
茶色と、緑がくさったような色―――ほとんどそんな色で覆われた池に、ほんの僅かだけれども密度の高い色がある。
葉も、淀んだ池に張った膜も、両方とも目が粗い。なのに、光が池に降り注ぎ、池が光を反射するときに、粗がない色があるのだ。
……ビニールのような。
窓に面してカウンターのように設置された学習机で勉強の合間にちょっと顔をあげ、そんな色を枯葉の合間に見いだすとき、麻衣は少しばかりの考えにとらわれる。
その日も英語のリーダーの合間にそんなことを考えながら口を開いた。
「やあ信二君」
麻衣の男の好みをクリアした将来有望な少年は、顔をしかめながら話し掛けてきた。
「……振り向きもせず話し掛けるのやめてくださいよ。なんでわかったんですか?」
麻衣はコンと指の節で窓を叩く。窓を鏡にして見たのだ。
「室内にいるときは窓際か入り口際。何かあったらすぐさま逃げられるように逃走手段は用意する。入り口を背後にするときは常に背を見張れる何らかの手段を確保しておくのがまあ文明的な人間の自己防衛かな」
「……今の日本にそこまでいちいち気をつけているのはあなたぐらいのものなんじゃないかと思いますが」
「あぶないなあ。そういう安全神話を過信した無防備っぷりが一番犯罪を促進しているんだってことをそろそろ君は自覚すべきだよ。―――いい例として、あの池をごらん?」
麻衣の脇から覗き込んで、信二も同じ物をみる。
「……あれがどうかしました?」
麻衣はごく軽い口調で言った。
「枯葉の下に、ビニールに包まれた死体がある」
掲示板連載していた渡辺麻衣さんのお話です。
ずーーーーっとほったらかしていてごめんなさい。
タイトルは現在好きな漫画から頂きました。麻衣にとっての「戦争」とは何だったのか―――それに答えをだします。そしてまた。
……すみません、助けてください。
杉浦は掲示板で連載していた文章をストックしておいたのですが、途中から見事に消えていましたー!(爆!)
「あなたは何者ですか?」の台詞のあとの文章をお持ちの方! どうか杉浦にコピーさせてください!
追記。データいただきました。ありがとうございます。
この物語は、貴方の手をとり指輪をはめようの登場人物を主人公にして書く物語です。
2005 2/5up
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