あとがき
ご愛読、ありがとうございました。
こんな長い物語にお付き合いいただき、言葉もありません。
この結末はハッピーエンドと言うべきか、アンハッピーエンドというべきか。
人によってかなり、意見が分かれると思います。
しかもキール、主役になっちゃってるよ……。やだなあ。
どんでん返しは「推理すればわかる、材料がすべて与えられている思考パズルのようなもの」―――というが私の理想です。
小野不由美著の悪霊シリーズのどんでん返しは、その点が際立って優れたものでした。
あれにせめても近づきたいと思い、考えたこのどんでん返し、上手く皆様を騙せたでしょうか。
最も大きな推理の材料はキールの性格。
そして二番目に大きなものは精霊側の待遇。
「脅迫」し、「こき使い」、しかも「無報酬」。これでキレない人はよほどの人格者です。そしてキールはもちろん、人格者ではありません。
三番目は「キールが異様に精霊と仲がいい」こと。
嫌っていたはずの精霊までもがキールとにこやかーに雑談しています。
以上のことから、私の予想では「最悪の場合は百人中一人しかだませない」と見込んでおりました。
でも掲示板をみるかぎり、なんだかどうやら結構たくさんの方の意表をつけたようで、嬉しいかぎりです。
ただし、伏線というのは推理の材料を与えることでもありますので、最善でも百人中七十人かな、と。
精霊は脅迫という手段を選んだがためにキールをさんざんこき使うことができましたが手ひどいしっぺ返しを受け、賢いシンはそれを選ばなかったがゆえに、さんざん苛められましたが最終的にキールの「特別」となることができました。
禍福はあざなえる縄のごとし。
人生万事塞翁が馬。
人生一寸先は闇ですね。
ちなみに、以前お手紙で「番外編の、それはとても公平な、唯一のかみ、の中でシンが緑の座になっていたので―――云々」とあってひぇーっとなりました。
あれはパラレルなんです。
シンの髪も長いですし。リルレーンもいますし。
偽りの終焉の冒頭でのキールの独白。
リルレーンの名前の力とは、「名前に代表される親しさ」のことです。
彼女がどう動くかがカギでしたから。
名を与えるほど親しい自分を、彼女は見捨てるかどうか。
リルレーンの死については…………非難ごーごーでしょうね。
でも、まあ、それは……、彼女の選択だったということで。
キールがどうであろうと、彼女は、確かにキールに救われ、キールを愛していました。
だからこそ、「利用されていることをわかった上で、利用されてあげた」んです。
利用されているのであろうとも、ここで彼女が助けなければ、愛する相手が死んでしまうのは事実だったんですから。
ちなみにお気づきでしたでしょうか。
リルレーンの言葉(おまけ参照)に。
最終話の中でも伏線を引かなければ気がすまないワタクシ……。もはやビョーキですね。
おまけ