クレジットカード騒動記
〜交渉編〜

  


 まず、必ず念頭に置いておくこと四ヶ条。

1 不退転の決意で、強気で。
2 相手の逃げを粉砕し、相手が婉曲に何か言ってきたら「つまり……ということですね」と明瞭に問い返す。
3 「金を返さずにいるより、金を返したほうがまだマシ」と相手が思うように仕向ける。
4 怒鳴りつけるのはマイナスです。あんまり効果は見込めません。あくまで口調は丁寧に。ただし、断固たる態度で臨みましょう。
 自分は何も悪いことはしていない。
 権利は闘って勝ち取るものだ。
 これを頭に刻み込んでください。
 交渉は口先の戦いです。




事前の準備

 用意しておくべきものは「カード番号」「これまでの交渉のやりとりを頭にたたきこむ」そしてもちろん、「相手先の電話番号(長時間なので0120コールが望ましい)」です。
 たとえ一旦は負けて終わった交渉でも、また再開しましょう。ウチも、あきらめきってカード解約した母からこの経過を聞いて話に介入し、勝ちをもぎとりました。



実務編

 私のようなケースの場合、カード会社はまず確実に、
「これは契約者さまと店側の契約ですからウチは関与できないので……」
 と、「ご自分で交渉してください、ウチは関係ない」と婉曲に言ってきます。

 切り札として使う文句は以下の通り。
「クレジットカード不正利用のケースで、常にそんな風にずさんな対応をしておられるのですか」
「それはクレジットカード不正利用に対するそちらの公式回答ですか」
「つまり、お前がかってに交渉しろ、うちは知らない、ということですね?」

 これで相手はまずどもります。「その……それは……」といってきたらしめたもの。たたみかけましょう。
 上記の三つの言葉を状況によって使い分け、フルに活用してください。
 また、もし万が一、この言葉に、
「その通りです。当方ではこの件に関して関与しません」だの、「どこのカード会社でも同じような返答でしょう。それが常識というものですよ」だの、「はい、ご自分で交渉してください、お願いします」だの言ったら、

 「わかりました、クレジットカードの不正利用は、○○(カード会社名)の責任じゃないので、なにもしない。それをそちらの公式回答として、インターネットで全世界に流させていただきます。もちろんよろしいですよね?」
 声の調子はニコヤカであればあるほど望ましいです。

 気をつけるのが、「それでは調査して折り返し電話します」。
 これは私の経験ではそのまま放置プレイになってしまう可能性、大です。
何日の何時ごろになりますか?
 と必ず聞きましょう。
 それは……調査の経過次第ですから、わかりませんと相手が言葉を濁したら、
「それでは○○日後までにお電話ください。もしも電話がなければ、それも抗議の対象となります」
 としっかり釘を刺しましょう。
「それは……私の責任ではお答えできないのですが」
 と言ったら。
 素早くぴしゃりと
「それでは責任者の方を出してください」
 と言ってください。
 かなり長時間待たされると思います。
 電話が再びつながったら、嫌味の一つも言うといいかもしれませんね。
「責任者の方と相談されてましたか?」とでも。

 相手のホンネは見え透いています。調査もしたくない。お金も返したくない。面倒はいや。そういうことです。
 となれば、取るべき対応はひとつ。
金を返さなかったらもっとひどいことになるぞ、この客は厄介だ」と思わせるのです。
 断言しますが、少なくともセゾンの場合、そう思わせなきゃ返金しなかったでしょう。
 100万かけてもいいぐらいです。


 場合別対応例……

「場合によってはお金を返金しておりますが、今回はそのようなケースとは思えません」
 と言ってきたら、すかさず切り返してください。
 ―――ではどのような場合でしたらお金を返しているのですか。その基準を教えてください。また、どういう基準で、私どもを不適当なケースと断言なさるのでしょうか。

「お電話されている方がご本人であるという保証もありませんし……」
 ―――この電話している私が○○であるという証明をするのに、協力は惜しみません。保健証、免許証、なんでしたらこの近隣のそちらの支部に出向いても結構です。先ほどまでにその証明を求めもせず、何故いきなりそんなことを言われるのですか。まるでいちゃもんをつけているように感じられるのですが。

 とにかく必要なのは、
「泣き寝入りをしない!」
 この、強い意志と、相手の言葉を赤裸々な言葉で切り返すことです。
 相手は企業ですからとにかく耳障りのいい婉曲な言葉で言ってきます。
 それを「つまり……ということですね?」とスパッと切り返しましょう。



 まとめ。
 インターネット。
 この技術によって、何よりも向上するのは実は消費者の立場かもしれません。
 私のケースでも、切り札となったのは「インターネットで全世界に公表する」という一言でした。
 これまでは個人で情報を発信するなど夢のまた夢。
 せいぜい「近所中に言いふらすぞ!」程度で、企業はそんなことではビクともせず、へーきで消費者を踏みにじって何もしなかったものですが、インターネットという強い武器を持ってからはそんなこともなくなりました。
 個人でも、これを活用すれば、「泣き寝入り」の危険がなくなったのです。
 インターネットで対応すべて文書化して世界に発信する、と言われてびびらない企業はまずないです。
 ちなみにセゾンさんには一言も、「私が一日数百ヒットを超えるサイトの管理人」とは言ってません。サイトやってることすら言ってませんから、誰でも使える強い武器といえるでしょう。

 また。
 「名誉毀損にあたりますよ」と言われたら、こう言いましょう。
「この件はデマではありませんし、事実にもとづいてます。また、どこの企業がトラブルの際にどのような対応をしたのか、というのは公共の利益となる情報です。カードを作るさい、より良心的な対応をするカード会社を選びたい、というのは人の心情として当然ともいえるものではありませんか? この件に関して、事実を書くことは、政治家の汚職の暴露と同じです。事実に基づく人の役に立つ情報をインターネットに流して、名誉毀損をとれるとお思いでしたらどうぞ」
 名誉毀損で訴えるには、二つの条件が必要です。
 事実とは異なるものであること。
 その情報に公共性がないこと。
 ですから政治家の汚職や不倫は「事実であるかぎり名誉を傷つけられても名誉毀損では絶対に訴えられない」のでした。事実でなかったらそりゃ取れますけどね。



補足

 なお♪
 もしこれを読んでいる御仁のモメてる相手がセゾンでしたら話はとっても簡単です。
 この例をだして、「この方は返金されているのに何故私はだめなんですか。人によって対応を変えているんですね? カード会社の顧客という立場はおんなじなのに、この人には返金し、私にはそう言うのって、おかしくないですか? 強い者にはおもねって、弱い者にはかさをきる。そういう姿勢、人として恥ずかしいとおもいません?
 といえば、まず、オチるでしょう。
 これに対する反論を思いつく人はそうそうおりますまい。
 SAISONとのトラブルには、この論法が最良です。
 トラブル体験談と併用して、ばんばん、ご利用くださいませ。

 また。
 「返金する」といって「数ヶ月たってもお金がもどってこない……」という場合には、再度抗議いたしましょう。



 ここに直通リンクオーケー、リンクフリー、転載可です。

エッセイリストにもどる

トップへ